LAMY Safari × Jetstream。ゲルインキ派の僕が、油性に回帰した理由

LAMY Safariのジェットストリーム芯モデル。
以前から存在は知っていたが、これまでは意識的に避けていた。

かつての僕は「ゲルインキこそ至高」と信じて疑わなかった。「ROMEO No.3」や「エナージェル」のヌラヌラとした書き味に慣れきっていて、今さら油性ボールペンに戻る理由が見当たらなかったのだ。

しかし、「ドイツの工業デザイン」に「日本のインク技術」が融合したモデル。
食わず嫌いはもったいない。試しに手に取ってみたその一本が、結果として僕のペンケースの「一軍」を奪うことになった。

なぜ、40代の今、あえてこのペンなのか。その理由を整理しておきたい。

目次

「三角形」が指の迷いを消す

使ってみて最初に納得したのは、LAMY特有の三角形のグリップだ。
これが驚くほど指にフィットする。

丸い軸のペンだと、思考に没頭しているうちに微妙に持ち手がズレてくることがある。だがSafariは、ペンを握った瞬間にガッチリと指の位置が決まる。
「矯正」されているわけではない。自然と最適な位置に指が収まる感覚だ。

長時間握っていても、余計な力が要らない。この「ズレない」という安心感は、長時間のミーティングや執筆作業において、想像以上にストレスを減らしてくれる。

紙に「定着させる」打撃感

肝心の書き味について。
2ヶ月ほど使い込んでみて、ゲルインキとの決定的な違いを言語化できた。

  • ゲルインキ: 紙の上にインクを「置いてくる」感覚。滑らかだが浮遊感がある。
  • ジェットストリーム: インクを紙に「叩き込み、定着させる」感覚。確かな打撃感がある。

適度な筆圧を受け止め、しっかりと紙に食らいつく。
それでいて、昔ながらの油性ペンのような重さはない。この独特の「キレ」が、文字を書くリズムを整えてくれる。

仕事柄、会議中に猛スピードで走り書きをすることが多い。
ゲルインキだとインクフローが追いつかず、金属チップが紙を擦る感触(いわゆるガリガリ感)に見舞われることがあったが、ジェットストリームにはそれがない。
どんな速度でもついてくる信頼性。世界中で支持される理由はここにある。

あえて「樹脂製」を選ぶ美学

40代ともなれば、モンブランやペリカンのような高級筆記具を持つべきかもしれない。
だが、僕はあえてこのABS樹脂(プラスチック)のボディを選んでいる。

理由はシンプル。「道具として遠慮なく使える」からだ。

金属製の高級ペンは、どうしても取り扱いに気を使う。デスクに放り投げたり、カバンに無造作に突っ込んだりすることを躊躇してしまう。
その点、Safariは頑丈だ。元々がドイツの児童教育向けに開発された背景もあり、ラフな扱いに耐えうる設計になっている。

傷がついたら、それも味になる。
気取らず、ガシガシと使い倒せる「タフな相棒」としての距離感が、今の僕には心地よい。

厚手の革手帳も飲み込むクリップ

機能面で特筆すべきは、あの巨大なワイヤークリップだ。
デザイン上のアクセントだと思われがちだが、実用性が極めて高い。

一般的なペンのクリップは、厚手の手帳カバーやジャケットのポケットには挟みにくいことが多い。無理に挟めば変形してしまうこともある。
しかしSafariのクリップは、デニム生地だろうが革手帳だろうが、大きく開いて難なく飲み込む。

移動の多いコンサルタントにとって、ペンを「確実にホールドできる」ことは地味ながら重要なスペックだ。
会議室への移動中、ペンを落とす心配がない。この些細な安心感の積み重ねが、仕事のノイズを減らしてくれる。

結論:完璧ではないが、代わりがいない

もちろん、不満ゼロではない。
リフィルのランニングコストは安くないし、稀にペン先にインク溜まりができることもある。

それでも選ぶ理由

多少のコストを支払ってでも、この「堅牢なドイツ製ボディ」と「信頼できる日本製インク」の組み合わせを手放せない自分がいる。
ほぼ毎日使っているが、今のところ仕事の道具としてこれ以上の選択肢は見当たらない。

システムとしての完成度か、アナログな書き味か。
今の僕が選ぶのは、間違いなく後者だ。

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この記事を書いた人

40代のITコンサルタント / マネージャー。
0と1のデジタルな世界で「効率」を追求する反面、プライベートでは「手触り」のあるアナログな道具を愛する。
愛機はFUJIFILM X-E4とLAMY Safari。
都内近郊の「窓のない書斎」にて、仕事道具への投資対効果と、大人の生活の質(QOL)について思考する日々を記録中。

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